遅すぎる99回箱根駅伝 振り返り 9〜10区


9区
1位で駒澤大学キャプテン山野力選手、続いて中央大学次期キャプテン湯浅仁選手がスタートしました。山野選手は最初の5kmを14:07で入り、中央大学との差がさらに19秒開き、合計で1:24秒差となりました。
そこから権太坂横浜駅でもじわじわ差を広げ、鶴見中継所では1:32となりました。
青山学院大学の岸本大紀選手が8位から3位にジャンプアップし、1:07:27秒で区間賞を獲得しました。

10区
新八ツ山橋で駒澤大学の青柿響選手と中央大学の助川拓海選手の差が1:51になりました。青柿選手は安定したペースで快走し、総合記録10:47:11で、駒澤大学が学生駅伝三冠を達成しました。
また区間賞は順天堂大学の西澤侑真選手が1:08:42で獲得しました。

 

以下総合順位

1位 駒澤大学 10:47:11
2 位 中央大学 10:48:53
3位 青山学院大学 10:54:25
4位 國學院大學 10:55:01
5位 順天堂大学 10:55:18
6位 早稲田大学 10:55:21
7位 法政大学 10:55:28
8位 創価大学 10:55:55
9位 城西大学 10:58:22
10位 東洋大学 10:58:26
11位 東京国際大学 10:59:58
12位 明治大学 11:01:37
13位 帝京大学 11:03:29
14位 山梨学院大学 11:04:02
15位 東海大学 11:06:02
16位 大東文化大学 11:06:08
17位 日本体育大学 11:06:32
18位 立教大学 11:10:38
19位 国士舘大学 11:13:56
20位 専修大学 11:19:28
関東学生連合 11:17:13

1位から10位の大学が第100回箱根駅伝の出場権、そして第35回出雲駅伝の出場権を獲得しました。

 

ご覧いただきありがとうございました。













遅すぎる箱根駅伝振り返り 6〜8区

6区

駒澤大学の伊藤蒼唯選手、30秒差で中央大学の若林陽大選手がスタートしました。芦ノ湯では43秒、小涌園で50秒、大平台で51秒差まで開きましたが、そこから若林選手も粘り、47秒差で小田原中継所タスキリレー。

区間賞は58:22でトップの駒澤、伊藤選手が獲得しました。

 


7区

3kmで駒澤大学の安原太陽選手が、中央大学の千守倫央選手をさらに9秒離しました。8kmでは安原選手が23:09、千守選手が23:23で2人との差は1:01になり、前も後ろも見えない、一人旅になりました。しかしその後安原選手のラップが少し落ちて、18.3kmの大磯では41秒差と、千守選手が詰め始めました。最終的には44秒と、安原選手がもう一度差を広げて平塚中継所襷リレーしました。

そして区間賞は1:02:43で創価大学の葛西潤選手、明治大学の杉彩文海選手の2人が獲得しました。

 


8区

最初、約3kmまでは中央大学の中澤雄大選手が駒澤大学の赤星雄斗選手を詰めていましたがそこから逆に離されて、茅ヶ崎で46秒差がつきました。しかしまた中澤選手が詰め、15km赤星選手が44:48、中澤選手が44:35と、2人の差が33秒になりました。遊行寺坂以降、赤星選手が再度突き放し、戸塚中継所で1:05まで広がりました。

区間賞は1:04:16で法政大学の宗像直輝選手と東洋大学の木本大地選手が獲得しました。

遅すぎる99回箱根駅伝振り返り 3〜5区


3区
中央大学の中野翔太選手が2:45ではいり、後ろから来る駒澤大学の篠原倖太朗選手、青山学院大学の横田俊吾選手を後ろにつかせませんでした。中野選手はそのままハイペースで押し切り、トップでタスキリレー。記録は1:01:51で吉居大和選手に続いて区間賞を獲得しました。
2位グループは約18kmまで2人が並走していましたが、篠原選手がスパート、中継所では駒澤と青学との差は26秒まで開き、中央と駒澤の差は10秒でした。
また後方では早稲田大学の井川龍人選手が9人抜きで駒澤の篠原選手と並ぶ区間2位タイでした。

4区
駒澤の鈴木芽吹選手が中央の吉居駿恭選手がハイペースで入った中でも少しづつ詰めていき、7km弱で追いつきました。また大磯を過ぎてから青学の太田蒼生選手が先頭集団を詰めていき、14km過ぎで追いつきました。そして吉居選手が集団についていけなくなり、鈴木選手と太田選手の一騎打ちになりました。
2人のデッドヒートは中継所までもつれ込み、秒差なしで鈴木選手が先着しました。中央の吉居選手は39秒差の3位でタスキリレー。
記録は鈴木選手が1:01:00、太田選手は当時の区間記録まで5秒にせまる、1:00:35、吉居選手は1:01:49でした。
また後方では、東京国際大学のイエゴンヴィンセント選手が1:00:00の8人抜きで箱根では3回目の区間区間新を達成しました。

5区
同時にスタートしましたが、駒澤大学の山川拓馬選手が青山学院大学の脇田幸太朗選手を引き離し、5km手前で中央大学の阿部陽樹選手が脇田選手を抜き、2位に上がりました。
その後も阿部選手はペースを上げて山川選手を追走し、小涌園では15秒差になりました。しかしそこから、山川選手も粘り、最終的には中央との差を30秒差まで戻し、駒澤大学が19年ぶり4回目の往路優勝をしました。山川選手の記録は1:10:45、阿部選手は1:10:36で、青山学院大学は、駒澤大学と2:03秒まで開きました。
後方では、城西大学の山本唯翔選手が4人抜きの1:10:04で区間賞・区間新、順天堂大学の四釜峻佑選手が1:10:19で区間新でした。

遅すぎる99回箱根駅伝振り返り 1

 


1区、去年に続いて大逃げの展開になりました。1km手前で関東学生連合、育英大学の新田颯選手が飛び出しました。最初の1kmのラップタイムは新田選手が2:56、後ろの集団が3:00と、後ろの集団はスローペースを予感させるような展開でした。
新田選手は独走で5km14:30切り、10kmを29:02でカバーし、後ろの集団の牽制もあって、芝5丁目では55秒、新八ツ山橋では1:19まで差を広げました。後ろの集団も8kmくらいからペースを上げ、少しずつ新田選手との差を縮め始めました。そして六郷橋の下りを利用して明治大学の富田峻平選手がスパートし、20km過ぎで新田選手をとらえ、鶴見中継所トップでタスキリレー。記録は1:02:45、2位に駒澤大学、円健介選手が続き、3位相当で関東学生連合、新田颯選手がリレーしました。参考記録ではありますが、記録は1:02:59でした。
2区がスタートし、最初の1kmの入り、明治大学の小澤大輝選手が2:41、前年2区区間賞、学生長距離界の絶対的エース、駒澤大学の田澤廉選手が2:46、そして鶴見中継所をトップと17秒差の4位でタスキリレーした前年1区区間区間新の中央大学の吉居大和選手が1kmまでに法政大学、順位はつきませんが関東学生連合の2チームを交わし、3位まで順位をあげ、ラップも2:36でした。
その後すぐに吉居選手が田澤選手をとらえ、3kmすぎで小澤選手もかわし、首位交代しました。
そのまま吉居選手は超ハイペースでレースは進みましたが、権太坂の上りでペースが上がらなくなり、落ち着いて走っていた12km過ぎで田澤選手に再び逆転され、14〜15kmで青山学院の大エース、近藤幸太郎選手にも並ばれました。
しかし吉居選手はそこで耐え、近藤選手と並走して田澤選手を追っていきました。
中継所直前で吉居選手が猛スパートで田澤選手をとらえ、中央大学がトップでタスキリレー。4秒差で駒澤大学、秒差なしの3位で青山学院大学が通過しました。

駅伝は本当に一度も失敗してはいけないのか

最近の駅伝は高速化で失敗できないと言われています。

 

特に1区は重要です。

本当にそうなのでしょうか。


そこで歴代の優勝校を分析します

 

駒澤大学三冠

34回出雲 区間最低順位 2位
   1区 花尾恭輔選手2位

 

54回全日本 区間最低順位 5位 
    1区 円健介選手 4位

99回箱根  区間最低順位 5位
    1区 円健介選手 2位

 

全ての区間で二桁順位がなければ失敗がないと言われるのですが、三冠で二桁どころか6位以下もいないというのは異次元です。

このような感じでしていきます。

 

33回出雲 優勝 東京国際大学
  区間最低順位 5位
  1区 山谷昌也選手 3位
大砲ヴィンセント選手がいましたが、頼らなくても3区から先頭を譲らずトップでゴールしました。

54回全日本 優勝 駒澤大学
  区間最低順位 12位
  1区 佐藤条二選手 1位
  二桁順位数 二区間

一時シード権外まで落ちてしまいましたが、6区安原選手、そして7区、大エースの田澤選手でトップまで行き、アンカーの花尾選手が青山学院との競合いに勝ちました。

 

98回箱根 優勝 青山学院大学
  区間最低順位 9位
  1区 志貴勇斗選手 5位
志貴選手が第2集団できっちり繋ぎ、全員が安定した走りで4区からは独走で王座奪還をしました。

 

32回出雲 開催されず

 

52回全日本 優勝 駒澤大学
    区間最低順位 11位
    1区 加藤淳選手 3位
    二桁順位数  一区間
2区で区間11位だったものの、そのあとは7区まで区間5位前後で走り、アンカーの田澤選手が東海の名取選手との競り合いに勝ち、久しぶりに優勝しました。

 

97回箱根 優勝 駒澤大学
   区間最低順位 15位 
   1区 白鳥哲太選手 15位
  二桁順位数 二区間
1区で出遅れたものの、10区の石川選手が創価大学を大逆転して13年ぶりに優勝しました。

 

31回出雲 優勝 國學院大學
   区間最低順位 5位  
   1区 藤木宏太選手
常に先頭争いを繰り広げ、アンカーの土方選手で先頭に立ち、國學院大學学生駅伝初優勝しました。

 

51回全日本 優勝 東海大学
   区間最低順位 10位
   1区 小松陽平選手 3位
安定した走りで一時は青山学院に先行されましたが、アンカーの名取選手が早々と逆転し、そのまま独走で優勝しました。

 

96回箱根 優勝 青山学院大学
   区間最低順位 7位
   1区 吉田圭太選手 7位
2区1年生の岸本選手が先頭で襷リレーしてそこから流れに乗り、大会新記録で優勝しました。

 

30回出雲 優勝 青山学院大学
   区間最低順位 2位
   1区 橋詰大慧選手 1位
5区6区で東洋大学に詰められたものの、竹石選手が引き離し、完全優勝で一冠目をとりました。

 

50回全日本 優勝 青山学院大学
   区間最低順位 5位
   1区 小野田雄次選手 3位
最初は接戦でしたが、7区のエース森田選手が東海大学を逆転し、二冠目をとりました。

 

95回箱根 優勝 東海大学
   区間最低順位 8位
   1区 鬼塚翔太選手 6位
8区で小松選手が東洋大学を逆転し、箱根駅伝初優勝しました。

 

箱根と全日本は距離変更だったり留学生起用規定の変更があるので、参考ではあるのですが、2008~2022年度の三大駅伝の優勝校の区間最低順位、1区順位、二桁順位数の平均を出したところ、左から

出雲駅伝
5.2 位,3.15 位,0.07回

 

全日本大学駅伝
7.4位,3.86位,0.4回

 

箱根駅伝
8.47位,5位,0.53回

 

となりました。

 

出雲駅伝について言えば、関東の大学は10校しか出ないので、一度でも二桁近辺をとってしまうと優勝は厳しいでしょう。


データを集めた中で一度だけ区間10位があったのですが、その大会は留学生が2人走っていました。

 

仮に日本人だけで組む場合は10位をとってしまうとほとんど優勝は不可能と言ってもいいでしょう。

その他の駅伝についても、優勝校の区間二桁の数が1大会あたり1回を切るという事で、一回でも二桁順位だと、よほど他の選手が良い走りをして、他の大学がよくない走りでないとと、優勝は難しいと思います。

 

そして特に驚いたのが1区の順位です。
どの駅伝も平均1区順位が5位以内です。

 

その後も大事なのですが、1区がレースの半分くらいを占めていると言っても過言ではないかもしれません。

 

 

私は東洋大学が好きなのですが、東洋は箱根駅伝95回以来、1区区間5位以内がありません。
他にも理由があるとは思うのですが、数年東洋が低迷している理由はうまく流れに乗っていけないことが一番の原因ではないでしょうか。

 

東洋がもう一度強くなるためにも、今年は1区で好走してほしいです。

 

 

東洋大学男鹿駅伝振り返り 後編

男鹿駅伝4~7区の振り返りです

 

4区 3.8km 松山和希選手 13:05 区間2位

 


エースの帰還!

 

 

 

ようやく戻ってきました!

 


大学入ってからレースで1番を取ったことがないので区間賞を取って欲しかったですが、相手も強かったし、区間2位で、その後のいせさきでもいいタイムで走っていたので状態はいいのではないでしょうか。

 


今年は最終学年なので、エース区間区間賞を取って欲しいです。

 


5区 8.2km 藤本駿世選手 23:59 区間4位

 


3区の薄根選手に続いて1年生です。

 


エントリー見た時に驚きましたが、地元の秋田工業出身で、少し前の早稲田大学記録会では5000mを2本走って両方14:30前後で走っていました。

 


結果は区間4位でしたが、下り基調でも1km平均3分切は良かったと思います。

 


6区 9.9km十文字優一選手 29:56 区間2位

 


三大駅伝の出走はないですが、2022年の立川パークランから調子が良く、5000、10000、ハーフで自己記録更新、箱根ではチームエントリー16人に入りました!

 


今回の駅伝でも実績のある青山学院の白石選手に次いで区間2位で、ここで4位から2位に浮上させました!

個人的には十文字選手が準優勝の立役者だと思います。

 


7区 10.1km岸本遼太郎選手 30:03 区間2位

 

 

 

個人的MVPです!

 


高校時代から注目していましたが、今年急成長しました。

 


5000メートル14:06まで更新

 


今回も最終的には30秒詰めましたが、途中まで1位青山学院を1分以上詰めていました。

 


今年は三大駅伝出走もあるのではないでしょうか。

 


新戦力や駅伝未出走の選手が多い中で準優勝はすごいと思います!

 


三大駅伝期待しています!!

男鹿駅伝の振り返り 前編

ご覧いただきありがとうございます。

 

今回は遅ればせながら、6月にあった、男鹿駅伝の東洋大学の振り返りをしようと思います。

 


1区 13.4km 奥山輝選手 39:14 区間3位


ここまで絶好調で、5/20の早稲田大学競技会では5000m13分台、関東インカレでは1500mで3位、また直近のトライアルinいせさきでは最終組で1位になっています。


今回の男鹿駅伝でも途中まで引っ張って秒差の3位でしたので、いい走りではなかったのでしょうか。


出雲、全日本で1度づつ出走されていますが、ベストの走りではなかったと思うので、今年は好走してほしいです。


2区  11.8 km 西村真周選手 37:26 区間2位


ここの2区は上り基調で、西村選手は箱根は6区の山下りでした。


ですのて区間エントリーを見た時は驚きました。


しかし、その上りでは集団を引っ張り、下りで一度離されたものの、最後の500〜800mで一気に6秒差を逆転しました。


*詳しくはコモディイイダの会沢陽之助監督が投稿された動画の最後の3分くらいをご覧ください


https://youtu.be/XK0BXTI31Fo


これを見られた方は来年は5区の方がよいと思われる方もおられると思います。


しかし、私個人の意見では、また6区を走ってほしいです。


なぜなら区間賞だった青山学院の若林宏樹選手とはタイムが30秒離れていることです。


若林選手は去年5区で区間3位でした。


確かに山上りのトップ級の選手と比較するのも酷な話ですが、東洋が上位進出するためには5区で区間上位にいることはマストではないでしょうか。


逆に西村選手は今年の箱根の6区で13km過ぎの大平台まで区間4位で、それから少し苦しい走りになりました。


今回の駅伝では最後すごく粘れたので、来年の箱根では6区で好走してくれるのではないのでしょうか。


3区薄根大河選手 22:55 区間5位


一年生で男鹿駅伝初出場。


都大路でも準エース区間の4区で区間11位、入学後も、5000mの自己ベスト更新など多くのレースに出場されました。


今回は前と少し離れてしまうようなレース展開となりましたが、しっかり区間上位で襷リレーしました。


今年はレースにたくさん出場してほしいです。


長くなりそうなので今回はここまで。


来週は4区から7区までを書きます。