イギリスの英雄、モハメド・ファラー選手

昨日(現地時間昨日)グレートノースランにおいてイギリスの陸上選手、モハメド・ファラー選手が引退されました。ファラー選手はソマリア出身で、特に5000mや10000mで活躍し、オリンピックや世界陸上など、国際大会10連覇を達成しました。私は陸上長距離を本格的に見始めた頃、日本にいる留学生や実業団に所属している外国人選手を除いて、ファラー選手とケニアのマラソンの絶対的王者、エリウド・キプチョゲ選手しか知りませんでした。今日はファラー選手のマラソン転向の前の最後の10000m、ロンドン世界陸上について書こうと思います。


この大会は地元での大会で前述の通りマラソン転向する、と宣言していたため、現地の観客はファラー選手一色となりました。


レースが始まり、ファラー選手は後方からスタートしました。このレースは国際大会としては珍しく超ハイペースで、またファラー選手が前の方に来て先頭に立とうとすると他の選手が急激にペースを上げるという、ファラー選手が得意とする、レースペースがゆっくりでレースを揺さぶりながら、最後に刺すという勝ちパターンをさせない、いわばファラー選手対他全選手という展開になりました。しかしそれでもファラー選手は集団についていき、時には観客に対してパフォーマンスをする余裕までありました。

そして最後の1周、400mでスパートし、そこから逃げ切って優勝しました。タイムは自己ベストに迫る26:49.53でした。


その後の5000mでもファラー包囲網になり、エチオピアエドリス選手

に負けて国際大会11連覇はなりませんでしたが、それでも最終レースの圧倒的アウェーの中、銀メダルを獲得しました。

 


そしてマラソン転向後もシカゴマラソンで2:05:11でイギリス新記録、また1時間走の世界記録も更新しました。

 


ファラー選手、お疲れ様でした。